体験談

実際に介護施設インターンシッププログラムに参加された方の体験談をご紹介しています。

 

高齢者施設(Aged careYuさん

 

1.    現在のインターンシップをされている会社の業種を教えてください。

高齢者施設での介護、看護です。

2.    その業種を選んだ理由はなんですか。

以前日本で看護師として働いていました。学生の頃から海外に行きたいと思っていて、メルボルンに行く前に看護留学として行くことも考えましたが、看護に縛られず自由に仕事をしたいと思い、メルボルンにワーキングホリデーで来ました。その後、日本食レストランで働いていましたが、看護から離れると看護技術、アセスメント力などの様々な能力が衰えてしまうと感じ、医療現場に身を置くことの大切さを実感しました。また、オーストラリアと日本の医療の文化的な違いや価値観の違いを体験したいと思い、この業種を選びました。

3.    その企業でのお仕事の内容を教えてください。

私が体験できたお仕事は主に2つで、1つ目は、Life styleといって利用者さんのアクティビティーを行うこと、2つ目は看護師やケアラーのシャドウウィングと介助の手伝いです。

Life styleではビンゴや輪投げ、バスケットボール、利用者さんにネイルをすること、Bus trip(バスで近くのショッピングセンターへ行く)などを行っていました。私が一番驚いたのが、利用者さんにネイルをすることでした。日本ではネイルをすると爪からSO2という大事な数値が測りにくいという理由から、ネイルは禁止です。しかしオーストラリアでは普通にされていて、文化と価値観の違いを実感しました。

また、Life styleでは私が提案したアクティビティーも快くさせてくれました。書道と折り紙を行いました。私は幼いころから書道を習っており、異文化を体験してもらうため、漢字を利用者さんと一緒に書きました。折り紙ではカラフルなバラを作ったり、カエルを作り、飛び跳ねるのを楽しんでもらいました。利用者さんから楽しい、面白い、勉強になるなどの言葉を頂き、利用者さんの日常を華やかにする力添えができて、とても嬉しく思いました。

看護師やケアラーのシャドウウィングでは、配薬、インスリンの注射、褥瘡の観察、更衣介助、シャワー介助、トイレ介助、利用者さんの記録の様子を見学しました。配薬記録や利用者さんの記録の大半はパソコンで行っていました。配薬記録は時間ごとに利用者さんが何を内服しなければならないか書いてあり、とても見やすく配薬ミスを減らせるような工夫がされていました。記録もフォーマット化されていて、記録する側は簡単に書けるように、また誰が見ても分かりやすいようにできていて、効率が良いと思いました。

〈レクリエーションなどを行うアクティビティ用の部屋〉

 

4.    職場環境や同僚はどうですか。

利用者さん、スタッフ共々良い人が多く、恵まれた良い環境でした。スタッフは、英語がおぼつかない私に対して会話が理解できなかった際は、丁寧に言い直してくれました。利用者さんも私と目が合うと笑顔で挨拶してくれたり、世間話をしてくれたりと、優しい人が多かったです。

5.    難しいことはありますか。

英語を聞き取ることと、英語の医療用語の理解です。利用者さんはもちろんオージー英語で、加えて高齢者であるためクリアに発音できないことが多いです。私はオージー英語を聞き取るのが苦手だったため、苦労しました。もう一つは英語の医療用語の理解です。看護留学のように看護の学校に行けば多少の医療英語は理解できたと思いますが、学校に行っていないため理解できなかったのが辛かったです。学校の必要性を実感しました。

6.    ビジネスインターンシップをしてみてよかったことはなんですか。

オーストラリアと日本の医療の文化的な違いや価値観の違いを体験できたことです。毎週金曜日にHappy Hourという時間があり、利用者さんは赤ワインや白ワインを飲めます。喫煙も可です。化粧も自由にして大丈夫です。前述したネイル然り、オーストラリアでは個人の尊厳や人生を重視していると感じると同時に日本は、生命を重視していると思いました。どちらが正解かということは無く、どちらも重要です。その人個人の今ある状態をアセスメントして、今は尊厳を重視する必要があるのか、生命を重視する必要があるのか判断すべきだと思いました。

7.    将来この経験をどう活かしたいですか。

オーストラリアと日本の医療の違いを体験でき、個人の今ある状態をアセスメントして看護を行う必要があると実感しました。日本に戻ってもこのことを活かして看護師として働いていきたいです。

〈利用者さんやご家族の方が使用できる休憩スペース〉